がんの進行を抑制するキャベツ
「生きた乳酸菌が腸まで届く」というフレーズがありますが、ヨーグルトなどに含まれる一般的な乳酸菌やビフィズス菌は「通過菌」と呼ばれ、定着して増殖することはありません。たとえ生きて届いたとしても、自分のものではない善玉菌は数日で排出されてしまうのです。いくら善玉菌であっても「カラダの外からやって来た菌」であれば勝手に住み着くことはできないのです。
悪玉菌を減らすキャベツには、水溶性と不溶性の両方の食物繊維がたっぷり含まれています。
悪玉菌の毒素ががん化を促すことを、アメリカのジョンズホキンス大学の研究発表しました。
人の腸内にの「バクテロイデス・フラギリス」という細菌は、毒素をつくるタイプとつくらないタイプがあり、両者の菌をマウスに感染させて観察したところ、毒素型を感染させたマウスは下痢になり、1週間たたずして大腸に炎症と腫瘍ができ、これに対し、非毒素型は炎症も腫瘍も起こりませんでした。
この研究によって、悪玉菌の毒素は腸に炎症を引き起こし、がんを進行させることが実証されたのです。
悪玉菌が増えたときと、人体の免疫力が下がって、病気を呼び寄せます。
悪玉菌自体が強い毒を持っているのではなく、体外から入ってくる敵と真っ先に戦う番兵のような働きをしてくれる腸内菌が必です。
悪玉菌の異常繁殖を防ぐには
高脂肪食を摂らなければ、悪玉菌は異常繁殖することも、毒素を発生させることもなく、腸の中でおとなしくしてくれます。高脂肪食の代表といえば、肉です。
肉のタンパク質と脂肪は人体機能の維持に不可欠の栄養素であるため、まったくとらないというのも問題なのです。肉は食べすぎれば腸を汚しますが、まったく食べなければ長生きできません。
悪玉菌を増やしすぎなければ問題を起こしません。
肉を食べながらも、悪玉菌を異常繁殖させない食事を心がければよいのです。
肉の健康効果を得ながら、悪玉菌の害も被らない食べ方があります。
それは、悪玉菌の一番の大好物を毎日しっかり摂ることです。
悪玉菌の大好物とは、食物繊維です。
食物繊維には、悪玉菌を善玉菌させる作用があります。
食物繊維には、水溶性と不溶性の2種類があります。
水溶性の食物繊維は、昆布やワカメなどの海藻類のほか、コンニャク、豆類、エシャロット、ニンニク、ゴボウ、アボヵド、梅干し、納豆、オクラ、モロヘイヤ、ヤマイモ、サトイモなどネバネバした食品にもたっぷり含まれます。
腸内細菌は、水溶性の食物繊維をより好みます。
自らのエサにしやすいからです。
腸内細菌を増やすには、水溶性の食物繊維を含む食品を積極的に摂ることが効果的です。
不溶性の食物繊維は強力な吸引力で腸内にたまった腐散物質をからめ取り、大便として排泄する作用があります
不溶性の食物繊維をたっぷり摂っておけば、悪玉菌の毒素が腸内にたまることもありません。
不溶性食物繊維は、最高のデトックス(解毒)効果があります。
不溶性の食物繊維は、シソやパセリ、ニラなどの香味野菜やキノコ類、乾物に多く含まれます。
また、豆類やネバネバ食品にも豊富です。
豆類とネバネバ食品は、水溶性と不溶性の両方を含むので、毎日、バランスよく食べましょう。
食物繊維の摂取量を増やすには、「食前キヤベツがよい」とお話ししました。
キャベツは水溶性と不溶性の両方の食物繊維を含んでいます。